☆☆インタビュー内容はここから
江口(以下江):今日はよろしくお願いします。
笹井(以下笹):よろしくお願いします。
江:2000件達成のインタビューってことなんですけど、1000件から2000件になるまで、
(生活の中で)何か変わったことなどありました?
笹:たいしたことはないんですけど……、車を買い換えました!!
江:ほうっ!!
笹:ミッションの、マニュアル車に変えたんです。
それが一番楽しい変化ですかね。
江:(車を)変えた理由ってあるんですか?
笹:特になくて、どっちでも良かったんですけど、まあ、たまたま見つかったコンディションいいのが、中古の車がミッションやったんですよ。まあ、結構運転自体が好きなんで…
笹:車を『動・か・し・て・る!!』『自分で操作してる!!』って感じが好きなんですよ。(男前な感じでしゃべってます)
江:(笹井さん)らしい感じですね。
笹:車との一体感といい(うれしそうな笑顔で…、運転、好きそうです)
江:これ、車種は言わないほうがいいですか?
笹:別に、大丈夫ですよ。ルノーのカングーなんですけど
江:おーーーーっ!
笹:といっても、納車二日目で壊れたくらいなんで、今後、心配は心配なんですけど…。
江:やっぱり、あのての奴はちょこちょこ故障したりとありますからね。
笹:それが、(手のかかる感じが)こいつ、かわいいな!なんてところが、ミッション車らしくて…
江:なるほどな…、えっ、じゃあ最近バイクはぜんぜん乗っていないんですか?
笹:(以前)こけてから怖くて、一切乗っていないです。
江:怖いですもんね…。
江:これ(インタビュー)、一応、表彰ということなんで、
笹:あっ、はい。(賞を受けとりながら)ありがとうございます。
江:あとこれ、最近記念品代わりにみんなに渡している本なんですけど…。
↑笹井さんの表情に注目!!
江:僕自身、この方のファンでもあるんで。
笹:この、「マイケル・サンデル」さんのファンなんですか?
江:ええ。
笹:あっ「白熱教室」よく見てます、私。
江:「政治哲学」っていう、日本だと千葉大学だけかな(学部があるの)。最近話題の、(中学生の)女の子を連れ去った犯人が…
※注:この撮影は、平成28年4月下旬におこなっています。
笹:ああっ!
江:(本を渡しているのは)先のこと考えていく上で…、長くなるとあれなんですけど、「自分の立ち位置」、要は自分の考え方とか、感じ方とかの「立ち位置」をちゃんとしとかないと(と僕自身が思っていて)、最近、「ふわーっ」とした人、多いでしょ?
笹:う〜ん。
江:まっ、誰とはいいませんけど…。
笹:あっはっはっ…(少し、苦笑い)。
江:そんなわけで、まっちゃん(松本PT)以降のインタビューで、配ってます。
笹:へー。
江:(本を指差しながら)スタッフさんにはもれなくこれはついてくると思います。
ここから話は、「仕事をもつママでもある笹井PT」という切り口で話は展開していきます。
江:理学療法士でもあり、ママさんでもあるということで、ちょっと話題は古くなるんですけど、
笹:はい
江:ちょっと、熊本の地震はあったりしたんですけど、
笹:う〜ん。(すこし心配そうな表情)
江:僕自身は、「日本死ね」っていう、保育園に入れなかったっていう
(ママさんのブログの投稿がありました)
江:その辺について笹井さんがどういう考えをお持ちなのかお聞きしたいと思ってて…
笹:う〜ん。
江:(「日本死ね」問題)を受けて、どんな感じですか?事件というか、出来事というか…。
笹:そうですねー。思うところね、いろんな切り口があると…、で、感じるところはあって、
江:うん。
笹:でも、一母として、国民として、政治家を見たときの、政治家のあの後の反応のほうが、
どちらかというと、「絶望感」があって、まあ、実感ないんでしょうね。(政治家には)
江:う〜ん。
笹:(私たちが関わっている)介護、医療に比べて、話はシンプルかなっと思うんですけど…。そんなに難しい問題ではないかなと思うんですけど…。(対策の)進まなさ。
江:(うなずきながら)まあ、保育士さんの職場環境なんかも、あの後TVで取り上げられたりしたんですけど、まあ単純になんというか、少なくとも、邪魔するような発言だけ(政治家が)せんといてくれれば、まあ、ギリギリセーフかなっと思うんですけどね。
笹:うん。う〜ん。
江:あれはないなー、っていうのが正直。国会で取り上げてもねー、後のメディアも…。
笹:取り上げ方も「下手」ですよね。
江:まあ、羽鳥さんの番組やからねー。
笹:(笑い)
江:(日本死ね)騒動の後、唯一メディアに出たのが、自民党の某衆議院議員だけだったんでね。
笹:はいはい
江:まあ、笹井さんだけでなく、他のスタッフにも関係あることなんでね。
笹:はい。
江:僕自身には子供いないんですけど、まあちょっと今後の職場のこともあるんで…。
笹:そうですね。
この後、とある心理テストを行いました。笹井PTらしい回答だったんですが、著作権上の問題で、なくなくカットです。同様に山田さんの回の心理テストも、結局、カットです。(泣)
ここから、最近心に残ったものについて、インタビューは続きます。
江:最近、心に残った映画、DVD、本など何でもいいんですけど、紹介してほしいなと思うんですけど…。
笹:はい。ものすごい古いものなんですけど、モノクロの写真集で、
江:選ぶのが渋いよねー。いつも。
笹:「ザ・ファミリー・オブ・マン」っていう、昔ニューヨークで開催されて、その後日本でも東京でやったみたいで、今の有名な写真家さんとかが、写真そのものに衝撃をうけたっていう…
江:ほう。
笹:そういうエピソードがいっぱい残っているくらい有名な…
江:この本を持ってるの!?
笹:これねー。利用者さんに実は見せていただいたんです。
江:ほうっ!
笹:その方がまず写真、私が写真好きやっていうのを…、それこそ1000件のときのアンケートを(ホームページ上で)見てくださってて、
江:はいはい。
笹:それで「写真好きなんですね」と言われて、その方も写真好きやったから、「これ(「ザ・ファミリー・オブ・マン」)を見て衝撃をうけたんや」って見せていただいたら。
江:へーーー!
笹:(それを見たら)まぁ感動して!!
笹:最初、タイトルの意味が「ピン」とこなかったんですよ。う〜ん、人間の家族?う〜ん?と思ってたのが、白黒(写真)って、やっぱり切り取る力が強くて、一枚一枚がよく、情報量が少なくなる分、一個一個の作品にはほんのちょっとしたこと、「喜び」とか「怒り」とか、「労働の厳しさ」とか、「戦争」とかなんか「ぷっ」と笑っちゃうこととか、(そういった)細かい切り取りが、一つの作品になったことで最後に、
『ズン!!』
と残るのが、
江:は〜〜!!!
笹:人間って、人間っていいな!みたいな感じが
江:単純に「人間家族」っていうとある家族を追っかけたみたいな感じかと思うけど、
笹:違うんです。
江:人間の(営み、業、性なんか)を集めてこう
笹:そうなんです。
江:はあっ、凄い!!
笹:営みのすべてをほんとに
江:これ、あんまり手に入んないんじゃ?
笹:多分入らないと思います。
江:ですよね。
笹:でも、インターネットとかで出てたので。
江:そうなんやー。
笹:写真も好きなので
江:その利用者さんも渋いね!!
笹:そうなんですよ。いろんなことを知ってはって、今も楽しみに訪問さしてもらってます。
江:こういうのが、僕らの仕事の醍醐味の一つなのかなって。
笹:うん。うん。
江:絶対こう、普段やったら会えない、いろんな層の人に会えて
笹:本当に!!
江:へー
笹:人生、得してますよね。
江:(うなずきながら)「ザ・ファミリー・オブ・マン」、もっている方は是非(笹井PT)にプレゼントしてください。
笹:(爆笑)
江:僕はもってないんで、あれですけど
江:じゃあ、写真も最近とれていないんだ?
笹:(本当に残念そうに)ぜんぜん撮れてなくて、でも、(写真集を見て)改めて『撮りたい!』としかもモノクロで撮って、絶対に現像を、「暗室を作る」と心に決めました。
江:うおっ(ご主人、頑張れ!!とちょっとよぎりました)
笹:あっはははははは(高笑)
ここから、話は訪問看護業界の話にもどります。
江:今のPT業界とか、職場とかで気になることを教えて下さい。
笹:う〜ん(悩みながら)
笹:これ、問題ないですか?(アンケート用紙を見ながら)
江:あーーーーーー、どうしよう?
笹:(心配そうに)
江:じゃあ、(危ないところは)削ります。言いたいこと、いいましょう。
……
……
……
なかなか使えるところがありませんでした。(泣)
要約すると、PTの仕事が意外と知られていない。PTそのものの認知度はあがっているのに逆に「ぼんやり」した感が出ている。というのが業界的にあるのでは?とのこと。
さらに続きます。
笹:あの、在宅で(仕事して)生きて、狭い世界で生きてるせいかもしれないけど、わりと、「自分がよければいい」という仕事をしている人が多い感じがするんですよ。
江:う〜ん。
笹:それはそれで、スキルアップして、利用者さんにうけて、お金がもらえて、いいのかもしれないですけど、やっぱり私たちは保険内でやることが多くて、自費でやるのも悪いとは思わないんですけど、「自費で出来るからいいわ」になってしまうと、ぼやけるというか
江:あー、なるほど
笹:やっぱりね、私回復期あがりやし、で、他の仕事せずにすぐPTになってるせいもあるんですけど、すごいPTらしい考え方をするPTやと思うんですよ、自分で。
江:はい、はい、はい。(納得)
笹:チームで、医療っていう枠で連携を取りながらいいサービスを…、みたいな意識が強くてやってるので、なんか、病院で勤めてればそういう風にして仕事している人もたくさんいるんでしょうけど…。
笹:もっと医療という枠の中に、PTとしての役割が明確にあってもいいんじゃないかなっと。まあこっち(PT業界側)にも責任はあるんですよね。他の職種に対する関わり方も弱いし、う〜ん。そこが最近気になって。
江:なるほどなー。でも、流れとしてはどっちかっていうと、医療から外れていこうとか、
後、ちょっと外そうという動きのほうが…(多いような?)
笹:そうなんですか?
江:どうです?実際?
笹:う〜ん。(悩)
江:まあ、自費の方は、必要があってやってる分もあると思うんですけど、一方、医療全体で見たときに、PTがやってたようなことにも、いろんなものが入りだしたりとか、というような方向に行ってません?
笹:そうですね。それももちろん、いいとこどりしていかないといけないし、より良いサービスをっていうのも大事なんでしょうけど、でも、逆にそしたらPTである意味がなくなるじゃないですか?
江:だから、こう、薄めようとする、こうPTをね。薄めようとする勢力と、そうじゃなく、よりPTをっていう勢力が、ひしめき合っているような感じのイメージなんです。
笹:そうですね。
江:後、これ読んでて思ったのが、「僕らが知っている周囲の職種の仕事」と「周りの職種が知っているPTの仕事」の情報量の落差が圧倒的にあると思います。
笹:うん。(納得)
江:基本、これは限らないけど、専門職って気をつけないと自分の職種以外に興味なくなるでしょ?
笹:うん。
江:で、いい専門職でもそうなんですよね。で、悪い専門職だともっとひどい場合が多いんですよね。
笹:そうですよね。
江:この内容、大丈夫か??
笹:(笑)
※若干表現を変えています。
江:だからこれ(笹井PTのアンケートの回答)は、すごく的を射てて、専門職が、他の専門職の仕事を良く知らないというのは本当なんですよね。
笹:いやでも、いい専門職だから知らないはよしとされますよね。ああ、でもきっといい専門職は、専門性と……どうなんかな?
江:だから本当に必要なことというのは、最終的にはまとめて、一個の料理じゃないけど、そういうふうにしないといけないんで、どっかの味がたちすぎていたりとかそういうのは、まずいとは思うんですよね。だからそういう意味ではお互いにね、僕らが調味料だとしたら、味の特質とかを知っていて、入れる順番とか、タイミングとかもそうだし、いろんな意味で、知ってないとまずいかなと思いますね。
笹:私は、そういう(おいしい料理のような)治療が出来たときが満足感が高いんですよね。
江:うん。
笹:だから、どうしたものなのか……。
江:まあ、「俺が俺が」っていう専門職が多いのも事実だしね。
笹:うん。
江:でも、それがないと専門職として立っていられないっていうのもあるけど、ちょっと…
笹:そうですね。
江:うまく使い分けられるといいんですけど。主役も出来るし、脇役も出来ると。
笹:そうなんですよ。それが理想ですよね。
江:笹井さん、脇役もちゃんとしてますもんね。
笹:たぶん、わっはははは。(大笑)
最後に10年後の笹井PTについての話にすすみます。
笹:う〜ん。
江:PTはしてますよね。もちろん。
笹:やっぱりPTをしてたいと思ったときに、不安なのが、やっぱり体が男性にはわかんないかもしれませんけど。
江:いや、わかります。わかります。
笹:本当に万全でないと、へたくそになるんですよ。一個痛いところがあると、やっぱり手先より、全身を使ってやっているせいで、下手なのがつたわるやろうし、そうなったら(PTを)やっていちゃいけないなと。
江:はいはい。
笹:そう思うと、体をね、自己管理をしっかりして、10年後もしっかりとPTをしていけるように、この日々の積み重ね。(が大事かと)
江:(アンケート見ながら)ちゃんと言ったほうがいいんじゃないですか?
笹:引き締まった体で(江口を見ながら、大爆笑)
江:まあ、自己管理の対極にいるような人間なんで(僕は)
笹:(大笑)
江:今日も原因不明の咳が…、来年この企画が出来ているかどうか…
笹:(大笑)
江:でも、確かにそうだと思いますね。その本(マイケル・サンデルの本)にも通じるんですけど、自分が「立って」いてこそ出来ることですからね。
笹:そうなんです。
江:自分がふわふわして出来るわけがないんで。それは確かにそうですね。
江:体の使い方とか、考え方とか、全部そこに尽きますもんね。
笹:そうですね。通じますよね。
江:なんか、しっかり「大人」ですよね。
笹:(わらいながら)まあ。
江:山田さん(前回のインタビュー収録)も、大人やなーと思う分もあったんですけど、笹井さんもやっぱりちゃんと大人してるなーっていうのを、凄く思いますね。
ここから、また「ママ」と職場、「ママ」と地域の話をしながら、インタビューは終了しました。